嫉妬深い人ほど成功する   

☆ タイトル 嫉妬深い人ほど成功する   

※ はじめに 嫉妬は、人間を動かすエネルギーになる

 経済評論家の勝間和代さんが「三毒追放」ということをスローガンに掲げていた
ことが、私ほ気になっていました。勝間さんの言う三毒とは、「妬む、怒る、愚痴
る」ことを意味しています。

 この三春は、勝間さん独自のアイディアでほありません。もともと仏教の考え方
 に根差しています。仏教では、三毒として「貧・瞋・癖」を挙げています。
       
 食とは、要するに食欲なことで、むさぼり求めることを意味します。
 瞋とは、瞋恚という言い方もありますが、怒ること、憎むことを意味します。
 癖とは、愚痴のことで、愚かで真理に対して無知なことを意味しています。
                        
 この三毒は、解決することが最も困難な、根的な煩悩と考えられてきました。
仏教という宗教は、あらゆる問題や障害の根に煩悩があるととらえます。とても
現代的な考え方をする勝間さんが仏教に由来するこの三毒に注目したのはなぜなの
だろうか。そのことが気になっていました。

 妬むということは、言い方を変えれば、誰かに対して嫉妬することです。勝間さ
んは、それをなくしてしまうことを説いてきたわけです。逆に、それを説かなけれ
ばならなかったということは、現代の社会においても、嫉妬の問題で苦しんでいる
人が少なくないということなのでしょう。

 誰かに嫉妬するという行為は、三毒の2番目に挙げられている「怒り」に結びつ
いていきます。嫉妬した相手が何か悪いことをして、それでのし上がってきたので
はないかと思えてきて、そのことに激しく怒るのです。

 最近では、いかにして怒りをなくせばいいのか、それを説くが出ていて、多く
の読者を獲得しています。そうしたでは、他人と自分を比較するから妬みが生じ、
それが怒りに結びつくのだと説明されます。そのことを知れば、三毒の最後に掲げ
られている愚かさから脱することができ、平穏な生活を送れるというのです。

 勝間さんの場合でも、怒りをなくす方法を説くでも、要するに妬み、嫉妬する
ことは間違いであり、無駄なことだとされています。そして、嫉妬から解放されれ
ば、心の安定が得られ、充実した生活ができるとされているのです。

 でも、当に嫉妬は否定されるべきものなのでしょうか。嫉妬することは悪いこ
となのでしょうか。嫉妬をとにかくなくすという方向で考えれば、私たちは心豊か
な生活を送ることができるのでしょうか。それは、怒りについても同じです。そん
なに私たちは、怒りを抑える必要があるものなのでしょうか。

 嫉妬や怒りが問題を生むことはあるでしょう。激しく嫉妬することが人間関係を
損なうことに結びついたり、自分の理性を失わせることにつながったりすることは、
確かにあるかもしれません。

 けれども、嫉妬という感情が湧き上がってきたとき、それはその人間を動かすエ
ネルギーにもなっていきます。誰かに嫉妬するから、自分もその相手に負けまいと
努力します。野球やサッカーの名選手に、上に兄のいる弟が圧倒的に多いのも、兄
に対する嫉妬が原動力となっているからではないでしょうか。激しく嫉妬しなけれ
ば、がんばろうという気持ちも生まれませんし、努力し続けようとする根性も身に
つきません。

 恋愛にしても、嫉妬という感情があるからこそ、それは激しいものになっていき
ます。激しい恋愛は、それを経験した人間に重要な事柄をもたらします。嫉妬を欠
いた恋愛は、果たして本当の恋愛なのでしょうか。恋愛においても、嫉妬をしなけ
れば、その人間はとても大切なものを知らないままになってしまうのではないでし
しょうか。
                                        
 なるべく嫉妬しないようにするということは、自分の心の中に激しい感情が渦巻
いていることを否定することにつながります。ところが、何かの拍子に、不意にそ
うした激しい感情が湧き上がってくることがあります。その時、普段から嫉妬を否
定していると、その激しい感情に翻弄され、かえつて自分を見失うことになってし
まいがちです。

 私たちは、嫉妬することを否定するのではなく、自分の中に必ずある嫉妬の感情
とうまくつき合っていく必要があるのではないでしょうか。そうすることで、どう
したらいいかも見えてきます。嫉妬の感情をエネルギーに変え、前を向いて進んで
いく原動力にすることもできます。

 ところが、今の社会では、嫉妬することが否定されています。嫉妬は間違ったこ
とだとされ、それを抑えていく必要ばかりが説かれています。それは、対談の中で
も触れていますが、ジョージ・オーウエルが、『1984年』という古典的な作品
の中で描き出したことでもあります。

 この作品は、未来を予測して1948年に書かれたものですが、今読んでみると
作者がかなり正確に未来のことを見通していたことがわかってきます。オーウエル
は、嫉妬が否定された社会、つまりは人間の本来的な欲求が抑圧された社会のこと
を描いているのです。

 嫉妬するということは確かに醜いことでもあります。見苦しいことでもあります。
 でも、嫉妬しない人間などいません。嫉妬が根本的な煩悩であるのなら、そこか
ら完全に解放されるのはとてつもなく難しいことです。それこそ悟りを開いた釈迦
にしかできないことかもしれません。

 醜いのも、見苦しいのも、それはどうしようもない人間のありのままの姿です。
それをなくして、聖人のような人生を歩もうとしても、実際にそれは相当に難しい
ことでもあります。

 この本では、精神科医の香山リカさんと、この嫉妬の問題について徹底的に考え
てみることにしました。嫉妬という感情はどこから発生してくるのか。今の若い人
たちは、嫉妬をどのように考えているのか。現在の社会は、嫉妬を抑圧する社会な
のではないか。嫉妬について考えるべきことは、実にさまざまです。この対談を読
んで、読者の方々がこれまでとは違う角度から嫉妬について考えていただければ、
著者としてこれほど嬉しいことはありません。   2012年11月  島田裕巳

☆ 嫉妬深い人ほど成功するのもくじ
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